ちょっと著者のプロフィールと本サイトへの思い

元・エホバの証人二世。40代男性。

1990年代にバプテスマを受けて中学〜高校時代をエホバの証人の信者として過ごしました(補助開拓奉仕、証言で学校行事などに参加しないなどを経験)。その後、フェードアウト1しました。今は信者ではありません。

エホバの証人と言えばムチが話題になりますが、私個人としてはムチを受けてはいません。しかし、周囲ではムチは当然のことであり、ムチを目撃したこともあれば、されている声や音を聞いたこともあります。教団内でムチは当たり前の事だったと記憶していますし、今でも現役信者の親と私の幼馴染の信者について話してみると「彼は(彼女は)ムチで立派に育った」等とムチの効果を未だに擁護します。

また、大学進学も話題になります。私は仲間信者の圧力を受けたものの大学進学出来ました。私の住んでいた地域の長老(地域責任者)は比較的穏当な方だったようです。現在になって他の二世信者と知り合ってその事情を見聞きするにつれて、他の地域のひどい実態があると知るようになりました234

上記の通り、私の育った環境が穏当だったことから、私は親に対しても当時お世話になった信者達(長老、他の信者)に対しても何ら恨みの気持ちを持っておらず、むしろ感謝の気持ちを持っています。これは通常の親子や人間関係のようなもので、エホバの証人だからといって人間としての気持ちが失われるものではありません。

私は既に教団から離れていますが私の親は現在も信者であり、一世信者の信教の自由は最大に守られるべきだと考えています。一方で、一世信者達の信教の自由のために、二世信者等の人権が害されて良いわけではありません。

例えば、私が「フェードアウト」という脱会手法を選択したのは、「忌避」という強力な制裁教理があるためでした。忌避とは、脱会者を集団で無視する村八分です。信者同士の人間関係のみならず親子関係であっても完全に断つ制裁教理で極めて非人間的な制裁です5

親子以外の信者関係が失われるのは仕方ないとしても、親子で忌避されるのは困るため数年をかけてフェードアウトしましたが、フェードアウトに伴い様々な精神的苦痛を経験しました(二世信者にありがちな鬱(うつ)も経験しました)。これについては、私という二世信者の信教の自由が奪われた結果であると振り返っています。

苛烈な幹部信者や親のいる二世信者の中には、さらにひどい境遇に置かれた方が数多くいて、「人権侵害」と言い切っても過言ではないほどです。そのため、私のように親や他の信者に対して感謝をしているような二世信者は多くないかもしれませんが、私のような元信者から見ても当時から継続している教団の教理運用は異様に見え、世間から乖離しています。

このような乖離がなぜ生じるのか、一般の人からは分かりにくいと思います。そこでこのサイトは、異様に見える教団の背景にあることや内部事情を客観的な情報に基づいて解説することにより、広く一般に知っていただきたいと思い作成しました。

著作権について

筆者は本サイトの著作権を放棄します。また、著作人格権は行使しません。ただし、本サイトの趣旨に反しない利用に限るものとします(特に、教団教理に肯定的な切り抜きや、現役信者の信教の自由を否定するような攻撃等はおやめください)。クレジット表記が必要な場合には「エホバの証人を分かりやすく」とお書きください。

Wikipediaについて

本サイトを始めた理由のもう一つはWikipediaの編集合戦に疲れたというのもあります。Wikipediaには現役信者と思しき人物が多数おられ、学術的な根拠を背景にきちんとした書き込みをしてもそうした編集者により取り消されることがあります。結果、Wikipediaには教団のプロパガンダしか書かれておらず教団を理解するのに十分ではありません。せっかく書いても消されてしまうWikipediaよりも、自己のサイトで情報提供するのが良いと考えました。

お問い合わせがあれば、以下にお書きください。

  1. 幽霊信者化する脱会手法、「排斥」「断絶」ではない脱会であり、忌避を伴わないので比較的マシな脱会なのです
  2. 『解毒 エホバの証人の洗脳から脱出したある女性の手記』角川書店、坂根真実、2016年。ISBN978-4-04-103709-6。
  3. “ムチを打てない人は「子どもをサタンから守れない人」 “エホバの証人”元二世が明かす異常な“懲らしめ”の実態”. 文春オンライン
  4. 信者家族「たたかれた子」と親の間の埋まらない溝「信仰心による体罰」責任を負うのは親だけか,東洋経済オンライン,2022年
  5. ちなみに、村八分は違法であるとする判決があります